大詰めに差し掛かってきた当プロジェクトですが、古い箪笥本体を収める躯体と、それを受ける台輪、台輪の下に配置する脚部、そして天板の4つのパーツを作っていきます。材はチェリー。
材料は既に幅・厚みを揃えてスタンバイさせてあります。
脚と天板の一部を除くすべての部材を19mmX40mmに統一しました。かなりの量ですが、一部失敗した時のための保険でもあり、必要量より10%ぐらい多めに用意してあります。
部材の厚みと幅を統一したのは、作業を標準化して間違いを無くすためです。全体のバランスを考えると必ずしも最適とは言えませんが、これだけ手間の掛かる受注品の場合、作業効率を優先させないと莫大な手間賃が掛かってしまい、施主様に申し訳ないということもあります。
最初に作ったのは本体を収める枠。続いて台輪です。写真は枠を台輪に収めているところです。左右と奥行きの寸法は各3mmづつのクリアランスです。
枠の組上がりの実寸を確認した後台輪の制作に掛かります。そうしないと、加工誤差があった場合最悪枠が台輪にはまらないことだってあるからです。
綺麗にはまってますね。台輪は3枚のあられ組みです。長手側が150センチを超えるので、留継ぎでは強度が持たないと考えたからです。
まあまあの仕上がりでしょ。
でも、ショッキングな失敗をしてしまいました。組手の強度を上げるために、6mmの丸棒を差し込もうとして、妻手側のさんを破断させてしまいました。テストピースで丸棒が若干太くて入りにくいのは解っていたんですが、40mmなんで大丈夫だろうと高を括ってやったのがいけませんでいた。
こうなると少々厄介です。
破断した妻手桟を取り換えるんですが、接着面から少しだけ離れた位置に鋸を入れていきます。写真で横になっている縦挽き部分も同様です。この後鑿で少しずつ追い込んでいって、長手側の部材を削らない様に接着面まで削り込みます。
代わりの桟を嵌めこんで何とか修復できました。この手戻りで2時間ほど無駄にしてしまいました。
年末が迫ってくる中、2時間のロスは大きいです。
ところで胴付のカットですが、80センチぐらいまでならスライド機構の左側のストッパーをセットして、写真の様に切ります。
加工誤差があっても、同じ長さの桟だと全ての加工誤差が同一ですから組立てに支障は出ません。
でも、今回のような1.5mを超える材だとこの方法は使えません。
その場合は写真のような延長フェンス(単なる2X材)を付けて、左側にストッパーをセットして切ります。この場合も理屈は同じです。
続いて脚部の仮組みですが、長手の桟が撓むのを防止するための中間の桟が宙ぶらりんです。
本日2回目の失敗。 こういう失敗を1日に2度やるって事は集中力が散漫になっている証拠です。こういう時はケガを擦る確率も上がっています。
かくして本日の作業はこれにて終了。帰って焼酎を飲んで眠りましょう。
つづく。