木工制作

古ダンス再生プロジェクト その9

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最後の追い込みです。

天板です。框に桟を2本渡して、薄板を落とし込みました。薄板は周囲の框や桟から1mm弱控えてあります。水準を合わせようとすると、板の厚みに誤差があった時浮いたり沈んだりしてみっともないです。控えて置けば目立ちませんからね。

裏です。

框に11mmの細い桟をビス止めし、それで薄板を受けています。

こういう風になります。左右に20mm、前に15mm出るようになってます。

続いて開き扉の引手を付けます。定番の片銀杏にしました。(在庫があった。)右の引手の上に鍵穴がありますが、これも後で塞ぎます。

トリマーで6mmの溝を掘って取り付けようと準備中。苦手な作業です。

でも、モールが邪魔してトリマーは使えないと判明しました。仕方なく6mmの角鑿で溝を掘ります。

付きました。中央の押さえも既存品を活用。

元のビス穴に真鍮ビスで止めます。元は鉄のビスで、錆びた上に朽ちていました。

残された作業はこの扉の釣りこみだけです。

でも、心配な事が2つあるんです。

左側の扉を仮置きした写真ですが、下をぴったり合わせると、

上は大きく隙間があいています。左の帆立が垂直じゃないんです。

クランプで垂直になる位置まで引っ張っておいて、裏板を固定して垂直になるようにしたんですが、実はそれじゃあダメなんです。改善はされますが、裏板を付けてからクランプを外すと、前側は半分ほど戻ってしまいます。

戻り具合を予測しておいて、垂直より更に鋭角になるまで引き付けておいて裏板を固定し、クランプを外すという荒業に出てみました。

オッケーです。これで第1関門突破です。自信は無かったんですが、やけくそでやってみたんですが、ラッキーでした。

もう一つも難題です。

これは最初から気付いていたんですが、左の扉が撚れていたんです。

上部を合わせると、

下部は7mm程前に出ています。このままでは多分扉を閉めた時の収まりが悪くなると思います。幸い右側の扉は撚れていません。

完全とは言わないまでも、撚れを解消、あるいは改善しないと取り付けができません。

右上部の留めの部分、ラッキーなことに接着剤が切れて、撚れを無くす方向に力を掛けると僅かながら隙間が開きました。その隙間に、脚を斜めにカットした時の切り落とし材(先端はごく薄いクザビ状になっている)を差し込んでみました。

左下も同様です。写真では接合部に微かな違和感がありますよね。肉眼ではわかりません。多分0.3mm程の厚みだと思います。

この技で歪は半分弱になりました。

扉は最初から撚れていたんじゃないかしら?3枚上の写真に埋め木が見えていますよね。この部分には何ていうんだろう落とし金みたいな金具が付いていて、枠に開いた穴にピンを差し込んで固定するようになっており、上側にも同じ金具が付いていました。上下をピンで固定すれば撚れていても何とか収まりますものね。

最後の最後まで苦労させてくれる物件ではありました。

何とか扉の釣りこみまで漕ぎつけた様ですが、この準備だけで半日以上掛かりました。納品予定日に1日余裕を持たせておいて良かったです。

 

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