竹工芸

強化月間1

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これは何かっていうと、プチコーヒーテーブル個人用とでもいうようなものです。

MDD君が頼まれたって持ち込んだものですが、どこやらのカウンターだったっていうゴムの集成材、適当な長さに切って表面を電気ガンナで無造作に削ってありました。

こういう風に使いたいんですと。

既に短く切ってあったので機械には掛かりません。2mm程反ってるし、切断も直角になっていないので、少々厄介でした。

木造りをしてからホゾ組み。工程自体は簡単です。強度的にもコーヒーカップを置くぐらいなら充分でしょう。くれぐれも踏み台にしないでね。

で、本題です。

実は年が明けてからは、竹工芸と漆芸の強化月間だったんです。木工の方は小物というか、日曜大工の延長みたいな物ばかり重なってたせいもあるんですが、展示会なんかの関係で追いつめられていたんです。

先ずは竹工芸から。

これは前にもUPしましたが、「蜘蛛の巣編み花籠」。右が半年ほど前に作った習作、左が今回作ったものです。今回作った方は胴回りの6面に桝形模様が入っています。習作の時は、縦に連続する桝形の編み方がわからず、模様は入っていません。5mm方眼のプロジェクトペーパーに模式図を何度か描いて、やっと理解できました。

籐飾りも最初のは「まあ、似たようにできてるね。」っていうレベルでした。

点数を付けると習作が25点、今回のは70点ってところでしょうか。まだ籐飾りの均一性に難点があるようです。籐を締める時の力加減にばらつきがあります。

もう一つ。網代編みの手提げバッグです。これで完成なんですが、先生からやり直しを命じられました。

やり直すのはバッグの口の部分。

ちょっと違うでしょ。最初はシンプルな「大和結び」っていう飾りなんですが、貧弱すぎるっていうことで、「掛け虫巻き」に修正。

縦に並んだ桝形模様が見えてますよね。横方向に並べるのが普通なんですが、縦方向に並べるのは難しいんです。3個セットでなければ本数が合わないんです。横方向の網代の模様が途中でずれているのがわかりますよね。本数が合っていないって事なんですが、無造作にやると収拾がつかなくなります。これも模式図を描いていて気づいたんですが、3個セットで2か所だけ捨て目(規則的でない目を作るって事ね)があります。多分教室では誰もやったことは無いと思います。先生も首をひねってました。

次はこれ。「文庫」って言って、手紙やら借用証文やらを入れておくものです。

竹細工を始めたそもそもの動機は、漆で「籃胎」という竹細工をベースにした手法があって、その手法で硯箱を作りたかったからなんですが、3年たってようやく本来の目的に接近してきました。

身の方が編み上がってきました。鉛筆で引いた線に沿ってコテで起こして箱の形にします。

上にあるのが蓋です。 身も蓋もあるなあ・・・・。

1つ上の写真はサンプルとして拝借した先生の作品ですが、じっくり見ていて大変な事を発見しました。

最初これを作りたいって言った時、「じゃあ一節ものの3尺(90センチね)で、幅2.8mmX厚0.25mmのヒゴを400本作って来なさい。」って言われて始めたんですが、それから2年、艱難辛苦の末ようやく400本揃えたのがつい先日の事です。途中で蜘蛛の巣編みの花籠2つと、手提げの籠を2つ作ったので、2年間で曳いたひごは900本程になるんですが、この間の苦労をあざ笑うかのような発見だったんです。

網代用のヒゴの失敗は、ほぼ例外なく節の所で起きるんです。節の部分は凹凸がある上、硬くて脆いので、順を追って薄くしていく工程で節の部分で破断するんです。 最初は80%以上、半年ぐらいで50%、1年半でようやく75%ぐらいの歩留りになったんです。今やればおそらく歩留り85%ぐらいにはなっていると思います。

つまり、工房には節の部分で折れた45センチの「使い物にならない」ひごがウジャウジャあるんです。

先輩の一人が「失敗しても捨てちゃだめですよ。小さいものを作ればいいんだから。」って言っていたので、残してありました。

発見したのは、先生の作品のどこにも節が見当たらないって事だったんです。メジャーを当てて図ってみると、40センチあればできる様なんです。ということは、2年間の苦労は何だったのでありましょうか・・・・。

このことに気付いた次の教室にサンプルを持参し、「え~~と、よく見たんですがどこにも節が見当たらないんですよう。見間違いですかねえ。」と切り出したところ、「え、節は無いですよ。1尺5寸で十分なんで、節は使いません。」ってシラーっと仰るじゃないですか。

瞬間頭が真っ白になり、思わず手が出そうになりました。いや、脚の方もスタンバイしてました。現役時代なら間違いなくどちらかが任務を遂行していた事でしょう。

でも、すぐに「いやいや、なかなかの深謀遠慮じゃなあ。最初から節無しで出来るって言えば、2年もかけて3尺のヒゴを曳く訳が無いわなあ。黙って習得させておけば、文庫以外の物も作れるようになるじゃろうっていう親心だったに違いない。こういう教え方もあるんじゃなあ。」と思い直しました。

で、ただ単にニヤって笑って済ませました。

ベンキョウさせていただきましたです。

 

 

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