木工制作

木工再開・飾り棚に挑戦1.

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年明けにラウンドテーブルを作ってから、木工は事実上休んでいました。

3月に「インコのジム」を作りましたが、これはまあ木工とは言えないでしょう。

新工房を稼働してから5年強になりますが、注文が途絶えたのと、去年の年末に注文した竹材料が入荷したせいです。

入荷した竹は、なるべく早く1次処理をしておく必要があります。入荷前に産み付けられた虫の卵が孵ってくる場合もあるし、新しく虫が侵入する場合もあるからです。概ね今年1年に必要な分を注文してあるので、全部とは言わないまでも、大半の処理は済ましておきたいわけです。

最初に丸いままで表面の蠟分を削り取り、それを何回にも分けて幅割し、更に厚みを割いて表皮に近い部分だけにします。幅割は7.5mmで始め、厚みは5~6mmを2.5mm・1.5mmと薄くした段階でもう一度幅を半割(3.75mmって事ね)、更に厚みを0.5mmまで薄くします。

ここまでは包丁で処理します。虫は導管が疎らで柔らかい、内側に近い部分を喰い進むので、ここまでやって置けば安心な訳です。

右の2つの束が捨てる部分、一番左がひごに仕上げる部分です。ここまで全重量の90%を捨ててしまう計算です。この後銑にかけて厚みを0.25mmまで追い込む訳ですが、写真は節と節の間の46センチぐらいの材料4本分でひごにして200本分ぐらいです。この材料が22本分あります。

つまり、ひごにして1100本分強ですが、この間の「文庫」だと2つしか作れない計算です。

更に間に節が1か所ある90センチ強の材料が30本強。ひごにして1500本強あります。

という訳で、ラウンドテーブル後の木工空白期間が生じてしまったのです。

竹の方がひと段落ついたので、久しぶりに木工に復帰します。

次につくるのはこれ。

去年の秋ぐらいに描いた落書きですが、ちょっと和風な「飾り棚」です。

図面にしました。

これは随分前から作ってみたかった物なんです。柱と桟の結合部分の仕口は「剣留めホゾ」にします。

受注品じゃあなくって、自家用です。見積もり価格は、木楽亭スペシャルでも20万は下らないでしょう。完成したら自分の貯蓄口座からお小遣い口座に24万ぐらい移動します。

竹細工の方は、思ったより進捗が早く、間もなく「商品」レベルに到達する気配です。レベルに達した作品を飾っておく棚が必要でしょ?

最初に治具を作っておきます。桟の見付側寸法は18mm。その先端に剣留めホゾの県の部分を加工する治具です。

これは逆側をカットする治具。2つで1セットです。

これはさっきの剣先が収まる雌側をカットする治具です。加工はトリマーでやりますが、最後の一突きは手鑿で仕上げます。加工誤差はこの手鑿加工で加減する算段です。

治具が出来たので、ここからは怒涛の木取りです。まずは桟やら柱やら使う「杖」の粗どり。暫く寝かせて撚れたり大きく曲がったものを排除します。見当で8割ぐらいの歩留りを想定して余分に取っておきます。ここでケチってはいけません。18mm角の仕上がりを目指すとして、機械での仕上がりは18.2~3を想定しますが、そうそう思い通りにはなりません。仮に18.4で仕上がったら、全ての部材が18.4になっている必要があるんですが、万一部材が不足して後で追加すると18.4ドンピシャに加工するのは至難の業(事実上不可能)です。部材寸法の微妙な誤差が、次の工程に進んだ時に思わぬ加工誤差になるので、全ての部材を同じ機械の設定で済ませたいわけです。

棚板や開き戸の側板などに使う薄板の準備です。仕上がり厚は3分想定。1インチの粗材を半割して可能な最大厚です。

こっちは6/4インチの粗材半割で5分と4分を取ります。扉や棚板の框材になります。 両木口に切り込みが入ってますよね。テーブルソーで両木口から切り込みを入れて置いて、この後バンドソーで挽割ります。いきなりバンドソーで挽いても良いんですが、鋸刃の揺れで歩留りが悪くなり、最悪必要な厚みを確保できなくなる場合もあります。 この方がバンドソーの刃に掛かるストレスも軽減できるので、仕事が早いって事もあります。

概ね部材が揃いました。3分板はイモ矧ぎして仕上げ鉋まで済ませました。

今回の薄板矧ぎは基本2枚矧ぎなので、前からやりたかったブックマッチングにしました。ブックマッチングは基本的に矧ぎ面を境に左右で順目逆目が逆になるので鉋仕上げには向かないんですが、今回は鉋の切れ味を信じてやってみました。

長くなりすぎるんで  その1終わり。つづく。

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