木工制作

箱物の小さな整理棚

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何度も登場しますが、この写真の左側のメイプルの薄板の群ですが、小振りな箱物の整理棚を2つ作ります。 12mmと9mmの薄い板ですが、うまくいきますでしょうか。

いきなり1つ完成です。 奥行き220mmですが、私の手押しではこの寸法は1枚板では加工できないので2枚矧ぎになってます。左右の帆立と底板・引き出しは12mm厚、棚板2枚は9mm厚です。

底板と帆立の仕口は5枚仕立ての天秤刺し、棚板は同じく5枚仕立ての大入れ通しホゾによる接合にしました。

天秤刺しの部分です。角度は12度、天秤の先の寸法は左右4枚が3mm、中央の1枚だけ4mmになっています。

通しホゾの部分。 底の天秤に呼応して5枚にしてます。3枚で十分なんですが、ここはデザイン優先で譲れない処ですね。

薄板の箱物は、兎に角時間勝負になります。 板を矧いで平面を出したら、可能な限り早く組み上げまで進む必要があります。平面を出したつもりの板が、時間の経過とともに反ってきて、下手をすると組みあがらない可能性もあるからです。写真なんか撮ってる時間は無いのであります。

それでも大入れにした3分(矧いで平面を出した時の実寸は8mm)板は反っていて、溝幅8mmぴったりでは絶対に組めません。 溝幅は8mm+、はめ込むホゾ側は8mmマイナスで調整しました。

そう、上の写真で微かに隙間が見えていますよね。

この部分の加減は未だわかっていなくて、なかなか商品レベルに到達できないでいます。

今回この棚を作ったのは、天秤刺しの腕を落としたくなかったのと、薄板による箱物を試しておきたかったからです。うまくいかないのはあらかじめ予想できていたので、タダって事で受注しちゃいました。馬鹿と言えば馬鹿ですが、ま、矜持の問題である訳です。

塗装して、そこにコロを付けて納品準備完了です。

裏側からの画像です。棚板の大入れと、引き出しの吊り桟の仕込み具合がわかります。背板は無く、素通しです。壁際のカウンターテーブルの下に置いて使うので、壁面に背板の代わりをさせようという魂胆です。決して手抜きではないので、そのようにご了解願いたい。・・・・です。

同じような整理棚をもう一つ作りますが、そっちは全て3分板。しかも奥行きが30センチあります。

更に難航が予想できますので、しばし休憩でして、気力が湧いてきたら仕掛かります。

 

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