先日の大型受注のうち、まずは食卓椅子10脚を作り始めました。
いきなりですが各部材群が揃ってきました。左奥の長いのが後脚20本、その右は背もたれ40本、更に右側が前脚20本です。手前左右は座面を構成する幕板40枚。まだ脚下部に渡す桟40本が残っています。
これは前脚の形状です。基本的に「斎田さん」のCK椅子のコピーなんですが、次第に私なりに変更するようになってきました。
「斎田さん」のCK椅子の基本コンセプトは「チョー軽い」って事にあるんですが、実用的にはちょっと怖い処も感じていたので作っていくうちに徐々に変更点が増えてきました。
今回の変更点は、前後の幕板が嵌まる脚の部分を長くした点です。
脚は30mm角を基本に、前後方向に15mmづつ厚みをつけました。座った状態で前後に揺さぶられる傾向が強く、ホゾの接着が切れてしまう懸念が捨てきれないので、こういう形状にしました。
加工工程は格段に複雑になるんですが、安心の方を優先しました。
これは後脚の整形が終わった段階ですが、右の端材みたいなのは捨てません。これは脚下部に渡す桟になります。後脚後方の残材なんですが、これなら少なくともこの部分だけは色が合わない心配はありませんからね。
痛恨の失敗の痕跡です。前脚20本の内の1本が、ルーターの倣い加工の時逆目を喰らって端っこが削げてしまいました。総菜送材スピードが速すぎると、つまり鼻歌交じりでスイスイやろうとするとこういう憂き目に遭う様です。お気をつけ遊ばせ・・・。
慌てて瞬間接着剤で誤魔化そうとしましたがこれでは使えません。
こういう時の為に無駄を承知で同時加工した予備材が用意してあります。1本だけのために治具や機械のセットを何度もやり直すのは癪ですが、致し方ありません。
これは背もたれの加工。インサイド側です。この治具で墨付けしてからバンドソーで粗々カットし、ルーターの頃付きBITで倣い加工します。
イン側の加工完了。これは半分だけどね。
アウト側を墨付け。見えやすいように最近は赤のボールペンを使っています。
で、同じようにバンドソーから倣い加工で完了と思いきや、1本だけが無残な姿に。手前のは予備材です、念のため。
こんな風にザックリとえぐれちゃってます。
ルーターテーブルにはこんな風な傷が残っています。
原因は治具の、材のストッパーを止めたビス。裏側にほんの0.3mm程ビスの先が出ていたようです。
加工中に動きが渋いような気がしたんですが、3本目の加工でルーターテーブルの溝に引っかかり、無理に送ろうとして治具全体が浮き上がってBIT側に傾いてしまったようです。
すぐに気が付きましたが、掘れてしまった後で気づいても仕方ないんです。当然ながら取り直しです。
つづく
PS:最近は途中経過抜きっていうのが多かったんですが、今回は途中経過、失敗例を細かく実況中継します。ご期待ください。