木工制作

玄関ベンチ

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食卓椅子10脚の塗装やら座編みやらを進める合間に、玄関ベンチを同時進行で製作していました。

施主さんのリフォーム完工が1月ほど延びて、5月中旬になったのと、椅子の制作が思いのほか順調に進んだことで、テーブルに掛る時期が後ろにずれ込み、20日ほど手が空いてしまいそうになりました。大きなテーブルを2台も置いておくスペースは無いので、納品日から逆算して、完成即納品ということにしたいんです。

そこで、本来完工後に作らせてもらう予定の玄関ベンチを先に作らせて貰うことにしました。

このタイプの玄関ベンチは4脚目ですが、最初に作ったのは木工を始めてそんなに時間が経っていないころです。今思えばよくもまあこんなものを構想したもんだと我ながら驚きます。

長手側の幕板に沢山の切り込みが見えますよね。この切り込みにずらりと細い柄を渡して座面を構成します。

幕板の切り込みはこういう風に作ります。溝切刃の幅は計画値18mm、実測値18.3mmです。最初にガイドになる2X材と幕板2枚を同時にカットし、ガイドの溝に同幅のガイドをセットし、18+7mm送ってから幕板の最初の溝をガイドにセットして2回目をカットします。

順次送りながらカットしますが、長手側の2枚の幕板は両面テープで固定して同時にカットします。 両端のホゾ加工はこの工程が終わってからします。絶対に先にホゾ加工をしてはいけません。

今回は33か所の切り込みを入れましたが、計算値より3mm短くなりました。仕上がり寸法900mmの予定が897mmになりますが、左右の余白分が6mm対9mmになるよりましでしょ。

要するに2番目のカットの送り幅が0.1mm弱少なかったっていう事ですが、これを理論値通りに収めるのは不可能ですから、ホゾ加工前にこの工程を入れるのが必須な訳です。

これが座面になる材料です。何やら村上水軍の幟旗みたいですが、座面後方に2本のラインをモールしました。材は紫檀です。

定番のデザインですが、これが無いと後世OYA-Gが作ったっていう証拠が無いような気がして・・・・。

簡単に作った送り治具で抑え、左から別の材でフェンス方向に押し付けながら順次カットします。

このとき、フェンス方向への押しつけが強すぎると、鋸刃を通り過ぎた瞬間に外側の材が鋸刃のアウト側に触れて斜め方向に傷が付きます。弱からず、強からずの力加減が求められます。

左が加工前の幟旗、次が幅20mm弱で切り出したもの、次が手押しと自動で18mm強に厚みを揃えたもの、一番右が座面の窪み分を倣い加工したものですが、これは倣い加工の時刃物が食い込んで失敗したものです。

ルーター加工の時、倣い目になるカーブ(この場合は手前側)は良いのですが、逆目(奥側)になる掘部分は材の送りを慎重にしないと材が破断してしまう事があります。

ま、この場合は逆目側のダウンクランプが外れていたという馬鹿馬鹿しい理由なんで、どのみちアウトだったんですけどね。

座面になる33本を嵌めこんで完成です。下段の棚はスリッパでも置いて下さいなって思い入れです。

加工手順をくどくどと書いたのは、自分用の備忘録です。読み飛ばしてくださいませ。

でも、まだテーブルに掛かるのは早いんだけどなあ・・・・。

 

 

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