木工制作

小物箪笥

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規格外の大物が終わったので、暫く木工を休んで竹細工や漆方面に寄り道しようと思っていましたが、面白そうなものを受注したので引き続き木工に精を出します。

 

受注したのはこれ。「薄板造り小物箪笥」ってタイトルになっています。全体の大きさは幅600X高さ500X奥行240。使うのは9mmの薄板に加工したハードメイプルです。この中に11杯の小さな引き出しを組み込みます。

超大物の後にこういう細かくて手の込んだものを作るっていうのが面白いんです。

前回の大物は、図体がでかいだけで構造自体は単純です。1つ1つの部材がでかいので、材の取り回しに体力を消耗しますが、作業内容自体は頭を使うっていうものでもありません。

いわば材木と体力を目方で売ってるっていう感じですね。

今回の小物は真逆です。部材は小さく軽いので体力は使いようがありません。でも、余りに小さいので、加工方法や構造・組立て手順などを事前に吟味しておかないと、途中で前に進まなくなります。

更に厄介なのは、部材数の多さです。図面上で数えると、なんと77部材。引き出しの底板や摺桟・背板などは数えていないので、最終的には100を超えると思われます。

前回の見積もりミスを反省して、今回はまだ見積もりを提出していませんが、施主様がお考えの価格を大幅に上回る事必定です。それはそれで怖いしなあ・・・どうしたらええんじゃろうか・・・。

気を取り直して木取りに掛かります。(ダジャレじゃないよ)

先ずは5/4インチ材を粗々カットして薄板を作ります。この状態で板厚は30mm。

2枚に挽割っていく見当線を引いてありますが、何本かやって途中でやめてしまいました。

私の場合こういう挽割りはバンドソーでいきなり挽くのではなく、最初にテーブルソーで両側から切り込みを入れた後でバンドソーに掛けるので、見当線は1本だけで良かったんです。頭を使わない大物に馴れてしまって、無駄な工程を入れてしまいました。

挽割った後で自動で丸鋸とバンドソーのナイフマークが消えるところまで加工し、今回は11.5mmとなりました。

ここまでは一気にやります。時間を掛けていると30mmの両面と挽割った面の含水率の変化で、挽割り後の板の反りが大きくなるからです。どうかすると挽割っている途中で反ってくる場合もあります。

この後桟積して2週間ほど工房の片隅でおねんねして貰います。過去の経験では例外なく反りが出ますので、最終の仕上がり厚9mmが一杯一杯のところでしょう。

それは良いんですが、大物が完成したっていう安堵感からか、何だか虚脱状態なのが心配です。

今まで足し算と引き算しかしていなかったのに、いきなり2次関数の問題に取り組むみたいなもんですからねえ。

いえね、大物の納品前から手空きの時間に徐々に加工を進めてたんですが、ミスに次ぐミスでちょっと戸惑っているんです。ミスはOYA-Gの専売特許みたいなものですが、今回のはその回数の多さで群を抜きます。

次回はそのミスのあれやこれやを、面白おかしくコクっちゃいます。

See You!

 

 

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