木工制作

小物箪笥失敗の続きと完成編

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グダグダと失敗の連鎖を告白し続けるのもどうかと思いますが、今しばらくお付き合い願います。

これは本体部分が組み上がったところですが、何だかおかしいですよね。

この図面では幅広2杯の引き出しは左側になるんじゃあなかったっけ?なんで右側になってるんでしょう。それはまあ、棚板のホゾ穴の墨付け位置を間違えただけなんですねえ。軽微なミスですよ。

まだありました。一番下の少し深めの引き出しの前板に小さな穴が開いてます。トリマーテーブルに4mmのストレートBITを装着して、長さ18mm、深さ3mmのつまみを装着する溝を掘ったんですが、そのうち1枚の前板を上下逆にフェンスに当てたんです。材を下した瞬間に気付いたんですが、時すでに遅しでした。

4mmの丸棒を作って埋めるしかありません。目立つだろうって?そりゃあ目立つに決まってます。でもね、難点の無いのっぺりした顔より、唇の所にほくろがある色っぽい顔の方が好きだなあって人もいるでしょ。我慢しなさい、これ位。

 

 

一番下に3枚並んだ引き出しは、もっと大事な失敗をしてるんです。これは左端と真ん中の2枚ですが、木目が連続していますよね。

真ん中と右端は木目の連続はこうなっています。そう、右端の1枚だけ天地が逆になってるんです。溝の位置が違うでしょ。

他の前板は木目の連続に注意して天地を間違えない様に印をつけて加工したんですが、なぜだかこの1枚だけ逆になってしまったようなんです。残念ですがこのままにします。施主様が気づかないって事もありますし、気づいても鷹揚な方なので大丈夫と思います。・・・・・ですよね・・・・・。

いずれにいたしましても「薄板造り小物箪笥」完成です。気品のある全体の雰囲気を評価いただけると幸いです。本体はハードメイプル、蝶チギリ・引き出しの引手・貫通ホゾの楔は紫檀です。

忘れるところでした。内側に反りの出た帆立ですが、組立て前に反りの内側を濡らして膨張させ、逆側に反らせて組み立てました。

濡らした板がほぼ乾いた状態で反りは逆側になり、その状態は約1時間持続し、その後徐々に元の状態にもどるのに3時間ほどかかります。実験で確かめてあるので、安心して組めました。

納品後、なぜここまで失敗が多かったのか考えてみましたが、よくわかりません。

重圧を受けていた大物の納品が終わって、気が抜けて注意力散漫になっていたっていう事にしてくださいませ。

おわり

おまけ

次のお仕事です。ボロボロの箱です。瀬戸内海の海賊が金銀財宝を入れて隠しておいたものかしら?汚れと錆でどうしようもない状態になっています。

大物を納品した家にあったんですが、四天王寺の古物市で買ったんですと。パッと見て、一瞬で修理の方向性が頭に浮かびました。

「これ、修理させて貰えませんか。お代は要りません、タダで良いです。」って言ってしまったんです。

ま、良いでしょう。2か月は遊べると思います。乞うご期待!!

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