研ぎ出し蒔絵

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ここ1か月、昼間は竹夜は漆っていう毎日ですが、漆の方は夕方から夜の作業なので酔っぱらってしまって「今日はやめ」っていうことが多いですね。

今やっているのは「研ぎ出し蒔絵」っていう技法ですが、これは本番前の練習です。

練習用の「手板」っていう板で練習。下絵を転写して金粉や貝を貼る接着用の漆を置き、

金粉を蒔いてから押さえの透き漆を塗り、上から上塗りの黒漆を塗ってから模様が浮き出てくるところまで研ぎます。

途中に乾燥工程が入りますので、ここまで2週間ぐらいの工程です。

上の写真は1回目の練習ですが、これは失敗。高価な金粉をけちった(と思える)せいで、模様がクッキリしません。

これはさっきのより先に、練習の練習でやったもの。このときは師匠の見ているところで蒔いたので、金粉の量は足りていたようです。

「但し、蔓が太すぎます。もう少し繊細な線で描かないと見た目が重いですから。何度か練習してください。」

ったって、1回で2週間よ・・・・3回したら1か月半じゃないの・・・・・

「いえ、漆っていうのはそういう物です。あせってはイケマセン。」

研ぐのはこんな感じ。右のプラスチックバットに入った「駿河炭」という、極柔らかい炭で研ぎます。

手が真っ黒になって嫌な作業ですが、手袋を使うと細部の研ぎが甘くなるので素手でやります。

本番用のブツは既にスタンバイしています。この「香筒」の前面に上の方眼紙に描いた蔓草模様を加飾します。

塗りつぶしになった葉っぱの部分は螺鈿、そのほかは全て金蒔絵になります。

お盆明けぐらいから本番に入り、10月末ぐらいには仕上げたいんですが、どうなりますことやら。

同時進行の角皿。家具製作の木取りの時残して置いた比較的派手な杢の端切れを半分に挽割って2枚取れました。

表側は拭き漆仕上げ。

裏は黒く塗ってあります。

テープを貼ってある四方の立ち上がり部分に加飾しますが、こちらは図案未定。

青海波に千鳥でも飛ばそうかと思っています。

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