布着せ準備
「布着せ」っていうのは、船体を補強するために、ガラスウールクロスをFRP樹脂で貼り付ける作業です。本来は漆工芸の用語で、箱物などの補強に麻布を貼る事を指しますが、それに似ているので「布着せ」って呼んでいます。他の人はこんな言い方はしません。
教科書的にはエポキシ系FRP剤を使うって事になっていますが、ポリエステル系樹脂を採用しました。
随分迷いましたが、市内にFRP樹脂専門の会社があって、そこに相談に行って決めました。
「確かに強度的にはエポキシ系です。但し、国内で流通しているエポキシ系は基本的に電子回路用の基板を想定したもので、木材製品(カヌー等)の強度補強は想定外です。ガラスウールクロスとの親和性も考慮されてはいません。オーストラリアやカナダには専用の配合になったものがありますが、個人輸入はコスト的にも量的にも事実上無理です。」
「どこまでの強度を求めるかっていう事ですけれども、ポリエステル系でもサーフボード用に調合されたものなら充分な強度が出ると思います。」
「内外10平米で3回塗りなら、9.5Lセットで良いでしょう。2万円程です。どうしてもエポキシって仰るなら用意できますが、10万ちょい掛かります。」
「う~~~ん、おもちゃに塗料だけで10万は掛けられんなあ。ポリエステルにしま~~~っす。」
っていうことで、ポリエステル系に決しました。
冒頭の写真は粗々サンディングを終わって、欠損部等にパテ埋めした状態です。
これはパテ埋め用の切削屑です。左が赤味の屑、右がシラタの屑です。100均で買ってきた天かす掬い用の網で大きめの屑を除去しておきます。
1/3模型を作った時のFRPの残りにこの屑を混ぜてパテを作って塗りました。
MDD君に手伝ってもらって布着せ完了です。
FRP樹脂を2回塗ったら、外に出してサンディング。ガラス繊維を含んだ粉が盛大に舞い散るので、室内では絶対に無理です。
近所のワークショップで買ってきたナイロン製の雨合羽を羽織り、マスクとゴーグルを付けて作業します。
少し気温が高い日があったので、半袖シャツに雨合羽でやると、腕がチクチクして続けられませんでした。
使った道具はミニサンダーと60番のサンドペーパー。120番で始めてみましたが、すぐに目詰まりして駄目でした。
サンダーの振動が手に来るので、午前中45分と午後30分の2回が1日に出来る作業の限界です。
白っぽい処がサンディングが終わったところ。アバタ状になったところが途中です。アバタが無くなるところまでサンディングします。
サンディングが完了した状態です。
一通りサンディングが済んだら、3回目の塗装をして更にサンディング。
地獄のような毎日が続きますが、これは序の口です。外側はサンダーが有効に使えるのですが、内側は想像するだけで身の毛のよだつようなサンディング地獄となることが予想されます。
ワクワクするわあ~~~~。