仕上げのニス塗りは内側から始めます。白っぽかった船体が濡れ色になって重厚感が出てきました。
写真は1回目の塗りが終わった状態です。ここからは同じことを繰り返すだけで馬鹿馬鹿しくも退屈な時間が続くだけなので全て省略。 全てのニス塗り完了まで3週間かかったとだけ報告しておきます。
船首側にこんなものを描きました。「ホルス」の眼です。
南アジアの海洋民の船には船首側面に大抵眼が描かれています。魔除けなんでしょうが、漫画チックな眼だと安っぽいので、古エジプトの最高神であるホルス(ほら、人間の身体に隼の頭部が合体した神様です。)の眼にしてあげました。普通より少し眦側を上げてきつい表情にしてあります。
内側が終わったら船体をひっくり返して外側も5回。
使用したのはこのニス。耐紫外線効果のある油性ニスです。かなり注意深く塗りましたが、液だれは免れませんでした。神経質になりすぎても仕事が進まないので大きな液だれ以外は無視。
最後のニス塗りが終わって、艇を外作業場に移動しました。これで2度と工房内に帰ってくることはありません。
船尾部の艤装です。貼ってあるのは1mm厚の真鍮板です。ロープを結ぶリングも取り付けました。あとは座面を取り付けて完成です。
更につづく