木工制作

グライダーチェアその後

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これは随分前に作ったグライダーチェアです。その後欲しいという人が居たので格安で売ってあげました。

ロッキングチェアが重心線上部の1点を中心とした円運動をするのに対して、この椅子は前後に移動しながら上下運動するので、不思議な気持ちよさを感じます。ブランコを漕いでいるような感じが近いと思います。

USA・カナダでは盛んに使われていて値段も$180から$2000近いものまでピンキリです。用途としては老人のうたた寝用というより、赤ちゃんを寝かしつけるのに主眼が置かれているようです。

日本には殆ど入ってなくて、カナダのDUTAILIERというブランドの安物が3万弱で売られている程度です。

で、ここから本題ですが、3月の終わりに山陰方面の灯台巡りツアーに行った時、山口県の油谷湾のちょっとハイソな旅館に泊まると、部屋にこの椅子が置いてありました。聞けばオーナーが気に入って全部屋に置いてあるそうです。

オットマンも付いていて、座ってみるとなかなか快適です。こりゃあオットマンが必須じゃなあ・・・と思いながら帰ってきました。

元々売る気が無いのに作ったんで、オットマンは作らなかったんです。受注があったら作れば良いやと思ってました。思いがけず売れたんで、揺れない簡単で小さなオットマンを作ってあげていました。

気になったんでTEL、「買ってもらった椅子ですけど、どんな感じですかねえ?」

「座ってみて気持ち良かったから買ったんで、とても良いですよ。」

「オットマンは動かないですが、そっちはどうですか?」

「あ、あれは難しいんで使ってません。足の行き場が無いような感じはしますねえ。」

「やっぱりなあ。オットマン、作りましょう。やっぱりオットマンとセットじゃないと良くないようです。」

「あんまり高くないんならお願いしようかしら。」

・・・・・・・・・・・

てなわけで作りました。右上から反時計回りに台座部分、駆動アーム、座面、駆動アームと座面の連結部です。本体の方には座面に背もたれと肘置きが付くだけです。大きさは違いますが、部品数と手間は殆ど一緒です。

でも、買う方からすると本体とそんなに違わない値段だと納得できないでしょうね。最初からセットで価格設定しないと駄目な商品でした。

塗装はこの段階で済ませておきます。組み上げてからの塗装は無理です。

もう一つ大事な問題があります。このパッケージに駆動部の金具類が入っています。駆動用のベアリング8個と取り付け金具がセットになっていて、値段は$60弱なんですが、運賃・関税・通関手数料などを入れると入手価格は1万3~4千円になります。本体とオットマンで2セット必要なので、それだけでさっきのチープな輸入品の値段と同じぐらいになってしまいます。

この椅子は行橋の木工仲間のTosi'mさんが紹介してくれたんですが、「金具が馬鹿高だよねえ、ベアリングと六角ボルトで代用できれば安くなるけどなあ。」って話してた記憶があります。

これが輸入したベアリングにボルトを圧入したものです。ベアリングにフリンジが付いていて、その部分をフリンジ付きのネジで固定するようになっています。

これが代用品。

内径10mm・外径26mmのベアリングにM10X30mmの六角ボルトを差し込み、M10のナットで固定します。ナットにはロックタイトを付けておきます。

これで1か所分。これが8組必要で、買い方にもよりますが3500円から高くても4000円あればOKです。ベアリングにボルトを差し込むと若干の遊びがありますが、ナットで固定すればがたつきは無くなります。

必要な金具に集合して貰いました。椅子本体とオットマンに掛かる金具代は1/3以下に抑える事が出来ました。

でも、個人輸入したものが3セット残っています。本体の方には輸入品を使い、オットマンは国内調達した金具を使う事にしましょう。

金具は3セット分残ってますが、果たして注文は来るんじゃろうか????

金具だけじゃあなくてクッションも必要なんで、受注値段は12~3万じゃないと受ける気がしないんだけどなあ・・・・・・。

26mmの穴は深さ8mm、ボルトの頭が収まる穴は20mmで深さは更に8mmプラスにしておきます。ボルトの頭が穴の底に当たると動きが渋くなったり、動かなくなるので、理論値より少し深めの穴にしておきます。26mmのベアリングが嵌まる穴は深さはベアリングの厚みと同じにします。

で、こういう風に固定します。ネジの下穴位置を正確に計算しておく必要がありますね。

台座部分に駆動アームを取り付けますが、台座とアームの間から薄いレンチを差し込んでベアリング側のナットを固定し、台座の内側からスプリングワッシャーを噛ませたナットを廻して連結します。この時ベアリング側のナットは緩む方向に回転しようとするんで、動かないようにロックタイトを付けて置いた訳です。

左右のアームを連結する桟はこの時セットします。

 

はい、組みあがりました。

座面の組みつけは5mmX25mmの6角穴ボルトを使いました。

OYA-Gが作るグライダーチェアは残り3セットだけです。早ーもの勝ちって事にするんで、希望者はお急ぎご注文下されい・・・ジャカジャン!!

 

 

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