ついに完成しました、「ザ・イス」の雄姿を見てやってください。
どっしりした中にも優美さを秘めたこの美しい姿(自画自賛じゃね)。
作者としての満足度は85%ってところでしょうか。15%の中身は後で告白します。
オットマンも相応の出来栄えになったようです。
最後の難関はここです。 肘掛の取り付け部。
急な曲線の集合みたいな形なので、取り付け前に整形しなければならず、組み付けにクランプが使えません。接合部の強度にも不安があるので、接着時は8mm穴を開けてビス止めしておき、接着剤の固化を待ってビスを抜き8mm穴を向こう側まで貫通させて丸棒を挿入して強度を稼ぐ方法を採用しました。
反対側に貫通。挿入する丸棒の先をちょっと削ってあるのがミソです。こうしておかないとぎりぎりの嵌め合いの場合途中で丸棒が進まなくなる事があります。そうかといってゆるくすると強度的な不安が残ります。
出っ張った部分をカットし、平待ち鑿で目違いを払い、塗料を塗って完成です。
おまけにこういう物を作ってあげました。細い棒に6mmの丸棒を13mm間隔で埋め込んだものです。
こういう風に使います。
座っていると網目がずれてくるんですが、手で直すのは邪魔くさいだろうと思って・・・。これはおまけです。
納品して定位置に置いてみました。
冒頭の工房内の写真と比べて、随分良く見えます。
この椅子の存在感はやはりこの角度ですね。
受注から5年、随分待たせたものですが待って貰って良かったと思います。200歳ぐらいまで生きてもらっても大丈夫だと思います、きっと、たぶん・・・。
しかしですねえ、前にも書きましたが定番化は難しいでしょうね。
ほぼ同じものを作るとしても制約が多すぎます。
先ず、体格やその人の感覚の差があるのでダミーによるチェックが必須なので、遠隔地の客からは受注できないこと。最低2度のチェックが必須なので、交通費の問題が出てきます。いや、金に糸目は付けないって言うなら別ですよ。
各部の寸法やカーブの具合がその都度変わると思えるので、型紙や型板はその都度作り直す必要があり、手間を省くっていうことがほぼ不可能な事。
必然的に製作時間が長くなり、価格面での合理性が損なわれること・・・などなど。
南京鉋を多用するため、OYA-Gの手首が腱鞘炎になって暫く使い物にならないことも深刻な問題です。
ともあれ、納品も済んで肩の荷が下りたって感じで、放心状態です。
納品後は刃物の研ぎ直しだけしているような状態です。
このあ小品を2つ3つやっつけて、そのあと「グライダーチェア」の試作に掛かります。こっちは定番化できる可能性大なので、期待してます。
仲間内にisuakiraさんっていう、椅子の魅力に取りつかれた先輩がいるんですが、ボクチャンもISUOYA-Gって-改名しようかしら。
ジャカジャン。