木工制作

「ザ・イス」その後

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納品の時、「あ、この椅子に座ってちょこっとビールかなんか飲むと素敵でしょうね。小さなテーブルがあると丁度良いと思うんですけど。」って仰るんで、「あ、小さなテーブルね。ビールのグラスを置くやつね。作りましょう・・・・お代は要りませぬ。おまけで作ります。」って言ってしまいました。・・・・馬鹿だよね・・・・・。

椅子やオットマンとのマッチングを考えると、こうなってしまいました。4日プラス塗装(40分ぐらいだけど3日掛かります)時間が掛かりました。 相手が要求もしてないのに、なんで「おまけ」って言ってしまったんだろう?

ちょっと中国っぽい?

なかなか思い浮かばなかった甲板のデザイン。

単純に平らな板を持ってくると、脚部のデザインから浮いてしまいます。困り果てて長手木口側にこういうパーツを配することでデザイン上のマッチングを図りましたが、如何でしょう?

施主様はそれなりに満足そうだったので良しとしましょうか。

こんなことしてたら木楽亭の明日は無いってことは解ってるつもりなんですが・・・・・。

制作に使用したダミーをそのままにしておいたので、邪魔になって仕方ありません。

座面の部分だけは今後使う可能性があるので倉庫に保管しますが、それ以外の部分は取り払いました。

スライドソーで微塵に切り刻んでゴミ箱行きです。

漆の方は作っていた2本の香筒が完成しました。これは拭き漆仕上げの方。こっちは簡単です。

もう1本は難航しました。「蔦草紋蒔絵の香筒」って名づけましたが、半年近く掛かってしまいました。

前面に蔦を配して、一部の葉を貝にしてポイントにしたんですが、何しろ完成度が低すぎて落第。とてもじゃないが人様に見せられるようなものではありません。

中央の蔦の一部が途切れています。更によく見ると光っている部分に何やらおかしな模様みたいな部分が見えています。これは所謂「研ぎ破った」状態で、最後に塗った上塗りの黒漆を研ぎすぎて、1段下の塗りが出てきている状態です。角の部分には漆が溜まりやすく、その部分を平らにしようとするときにこうなってしまう確率が高いようです。

いずれにしても今回は完敗です。

悔しいので、暫く(多分2~3年かな)はこの「研ぎ出し蒔絵」っていう技法だけを追いかけることに決めました。少なくとも相応のレベルに達しないであれこれやっていても駄目だと思い決めました。

で、早速もう1本、同じ技法・同じ図案で再挑戦するための生地を製作。大体のやり方は解ったので、今度は2か月程度で完成させます。

こういう物が工房に残っています。馬鹿馬鹿しいんですが、9.5mm幅の溝に、9.45mm深さの溝を切っています。写真の様に合体して4つの角を45度カットして仕上げるんですが、これだと9.5X19mmの溝になっています。深さは半分の4.75mmにしなきゃあいけなかったんですが・・・・・。

最近こういう単純な判断ミスが多くて困ってしまいます。

誰ですか?前からそうだろうなんて陰口をたたいてるのは。

おわり

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