竹工芸

竹取りの翁-他あれやらこれやら

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去年の6月に「網代」を専攻しようとして、師匠に「2.8mm幅で0.25mm厚のひごを400本作れ。できんと思うがなあ。」って言われて意地になって作っていたヒゴがようやくでき出した気配です。

幾つかの束になっているので350本ほどあります。厚みは3.2mmまで追い込んであります。あと2工程で厚みを決めたら、最後の幅引きと面取りをして完了です。

ここまで10か月掛かりました。目途が立ったのはつい2週間ほど前です。結果的には通り抜けるべき技術的な関門が5~6か所あるのですが、膨大な失敗の積み重ねの末に会得しました。

5~6か所の技術的関門のいくつかは、最初の1年で作っていたヒゴ=7mm幅x0.7mm厚=にヒントがあるのですが、全くヒントの無いものもありました。すべての輪が繋がるっていうのは、ある日突然にやって来ました。

まだ未熟な部分が多いのですが、一度つながった輪は切れることは無いと思えます。これからは細部のテクニックが上がって行くことと思えます。

奥にあるのは「蜘蛛の巣編み」で作る花入れの底部分まで編み上げたものです。これでヒゴ90本を使います。

しかしじゃねえ、もしOYA-Gがこのヒゴ作りを教えるとしたら、多分3か月ぐらいで出来るようにしてあげられると思うんじゃがなあ・・・。

右は最後まで行こうと思っている花入れ。左は途中工程でミスがあって収拾がつかなくなったものです。左のはゴミ箱行きの運命です。どちらも使ったヒゴは72本。

ミスした原因については、薄々自覚してるんですが、師匠に質問しても捗々しい返事はありませんでした。どうなっとるんじゃろうねえ。

気を取り直して、こっちは漆の材料。角皿1枚と8寸3枚の木地です。材はカーリーメイプル。シンプルに朱合の塗り立てで、実用本位の皿に仕立てようと思っています。ま、塗りの練習っていう目的もあるんです。

漆の塗りについては、竹ひごと似たような関門があって、なかなか会得出来ないんで、こういう場合は量でこなす以外にないような気がしています。そのうち「ある日突然」っていう僥倖が訪れる事を期待するだけです。

木地が完成しました。目に見えないレベルの小さな傷があっても、漆を塗るとはっきりと浮き出して来ます。木地の仕立ても重要だということが身に染みてわかってきました。

鉋仕上げの後240番でサンディング--湯引き--240番でサンディング--湯引き--320番でサンディング--600番でサンディングっていう工程を今後のベースにしようと思います。

おまけなんですが、2本の差し金が並んでいます。下が今まで使っていたもの、上が今回新調したものです。

1年ほど前にHCに買い出しに行った時、自分の差し金を持って行って購入材の寸法を測っていたんですが、なぜかHCの兄ちゃんのと入れ替わってしまいました。

普段の木工では差し金を使うことは稀なんですが、例えばテーブル甲板なんかの最後の分決めなんかでは使う事があり、何度か首をかしげるような事態に直面していました。

直角が出ないんです。そのせいで設計上の寸法が2~3mm短くなるって事が2~3度ありました。

角の部分を合わせてセット。

下にあるのが今回購入したものです。上が怪しい方。50センチの位置で2mm程開いています。

勿論そのことに気付いたから買い替えたんですが、やっぱりシンワは駄目じゃわ。角度が狂った時の調整法は、棟梁に聞いて解ってるんです。玄翁で角の部分の上を叩けば閉じ、下を叩けば開くって言うんですが、ビクともしませんでした。

高い物じゃあないんで、ダメなら買い替えれば済む事なんですが、それにしてもねえ・・・・。

木工も少しはせんといかんじゃろうって思って、次の作品?の木取りもしました。1mx80cmx14cmっていう、コンクリート枠みたいなもの2個を作ります。

単純極まりない枠で、日曜大工レベル以下っていうご批判もあるでしょうが、これがなかなかの物なんです。組合いは大入れ貫通ホゾにするので、加工精度勝負の厄介な加工になるでしょう。

え?オットマン?忘れてません!!すぐやります!!

 

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