木楽亭のこと

 

 

永年サラリーマンをしていたOYA-G(私の事ね)が、リタイア後の無聊を慰めるために木工家具工房を立ち上げました。

 

 

準備は12年前からコツコツと始めていましたが、リタイア後に空き家になっていた郊外の店舗兼住居だった家を改装して移転、屋号を「木楽亭」(=キラクテイ)としました。新工房は2014年11月から稼働し、現在(2018年7月)までに70以上の家具が誕生しました。趣味の延長なので、自分の納得のいく家具を作ろうと思っています。

 

 

 

【コンセプト】

 

・普段使いのシンプルな木の家具

・スタイリッシュで気品のあるデザイン

・手間を厭わない

 

 

 

 

【取扱い樹種】

 

木楽亭が常備している樹種は3種類です。

  1. ハードメイプル
  2. ブラックチェリー
  3. ブラックウオルナット

 

基本的に木目のはっきりしない「散孔材」っていう分類に属する材なんですが、密度が高くて硬度があり、家具向きな材木を選んでいます。

 

3種類にしている理由ですが、一般的に流通している材木は製材後に人工乾燥し、一旦カラカラの状態にしてから市場に出回ります。この時、材の含水率は0%に近い状態です。普通の(日本での)住環境に適した含水率は15%前後と言われており、その状態に戻るまでに約1年が必要と言われています。使用時の含水率に戻る前に加工して家具に仕立てると、狂いが大きくなる恐れがあるのです。購入した材木が何時工場を出荷されたものなのかは追跡困難なため、念のために購入後1年間ぐらいは材料倉庫に寝かせておきたいわけです。そうすると、樹種ごとに1年間に使う量のストックを(あくまで想定上ですが)持っておきたいわけです。

 

木楽亭の場合、1樹種ごとに1立米が標準のストック量です。現状の材木価格ですと、平均35万/立米ですから100万ほどの材料の在庫を抱えています。これが5種類になると160万ということになり、その分在庫負担が重くなってしまうんです。勿論、お客様の絶っての要望とあれば違う樹種を使うことも考えますが、その場合は納品後の思わぬ事故(たとえばテーブル天板の矧ぎ面が切れるとか)が起きることも想定されるので、お勧めいたしかねます。ま、本当のところは私が好きな樹種に絞っているというのが真相なのですが。

 

 

 

【価格設定】

 

基本的な価格設定は、

 

見積り加工日数 × ¥5,000 + 材料費  です。

 

通常、一人で運営する家具工房の採算日当は3万円が妥当(24日稼働で72万。ここから機械工具類の減価償却費や工房の維持費=光熱費等、その他の必要経費を引いたものが手取り収入ですから、木工家は押しなべて貧乏暮らしです。)とされていますので、破格の安さです。なにしろ最低賃金に届いていません。見積もり加工日数っていうのがミソで、過去に見積もり加工日数以内で完成させた作品は皆無です。

 

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