組子道具編

組子の材料を作る

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組子を作るには、至極当然ですが材料が必要です。例えば3mmの厚みで幅が9mmとか、2mmの厚みで幅9mmとか、または厚みが5mmで幅が12mmとか、自分が欲しいと思う厚みと幅の材料を、可能な限り正確に、かつ大量に作る必要があります。

前回は組子業界?が機械化される以前の、手道具時代の道具である「コロがんな」を紹介しましたが、今回は実際にこの鉋を使って材料を加工する手順を紹介します。

1.厚みを9mmに揃えた板材を、テーブルソーで所定の厚みに挽き割る。

加工材はジグに隠れて見えていませんが、フェンスに沿わせてる長細い板の下にあります。手前側に加工材をフェンスに押し付けるための補助板があって、これを左手で軽く押さえながら挽き割ります。 今3mm厚の材料を作りたいので、挽割り厚は3.4mm位に設定してあります。

このやり方は、前に玄関ベンチの座面を切り出すのに使ったやり方で、同じ幅の材をなるべく正確に、且つキックバックの発生しない安全な加工法で、既に何度も使ったやり方です。椅子の座面は22mm位ですが、今回は3mmですごく薄いんですが、やり方は同じです。

厳密には0.1~0.2mm位のバラツキがあると思います。鋸刃は刃数が少なく振れの大きい縦挽刃では無く、兼房の横切り刃を使っています。フェンスの直線を確保するために、アルミの引抜材を付け、更にヒノキの角材を付けています。

 

2.  挽いた薄板の両端1センチぐらいの位置に、3mmの穴をあける。

この薄板に鉋を掛けて所定の3mmにするんですが、材をエンド側で止めようとすると(例えば2mmの位置に釘頭をセットして)、材に食い込んだ刃の圧力で、ほぼ100%材が撓んで折れるか、釘頭から外れてしまい削れません。

教科書に出てきたのはこういうものです。真鍮釘の先をつぶして曲がった針状のものを作り、これに材を打ち込んで固定するって言うんですが、厚みごとに作るのは労力が掛かるし、何より一本づつ打ち付けて加工しまた外すっていうのは、ちょっと非現実的だなあと思い、マネして作ってみましたが即刻却下。一度も使わずに3mmの穴をあける方法を思いつきました。

削り台の程よい位置に溝を掘って、溝に着脱可能な木片をはめ込み、その木片に3mmの竹の丸ひごを埋め込んでピンにします。3mmの仕上がりを予定するなら、竹串のピンの出代は2.5mm位にしておきます。加工材のカシラ側で材を保持する事に変わりはないんですが、こっちのほうが着脱が簡単です。ピンが潰れたら(実際しばらくするとピンが消耗して使いにくくなります)作り直すのも簡単です。

3.最初に片方の面を平鉋で仕上げ、反対側をコロがんなで削って仕上げる。

加工材をピンに引っ掛けて、平鉋で最初の面を削ります。裏返して反対の穴をピンに差し、右に見えているコロがんなで、刃が掛からなくなるまで削ります。

コロがんなに履かしてある下駄の厚みは正確に3mmにしていますので、刃の出代を0.05mmとすれば(大体その辺で調整してます)2.95ミリに上がるはずです。3mmのテストピースに通してみると、ちょっときつ過ぎる感じがします。

最後に平がんなでもう一削りすると計測上2.85から2.88ぐらいに収まっているようで、今のところこの辺りの寸法が使い易そうです。

テスト用のゲージを通して確認してましたが、実はこれが曲者です。注意力をハイレベルで持続するのはなかなか困難なので、仕上がりにバラツキが出ていたんですね。最初からある程度バラついてるだろうとは思っていましたが、そのバラツキが色んな所で悪影響を生んでいました。

ただ、解決する方法が思いつかなかったんで、致し方なく何か月か見過ごして来たんですが、上の写真が今考えられる現実的な対処法です。

人差し指の右にあるのが基準になる材料で、これに次の材料を並べて指で触って誤差を感知します。親指の下にあるのがテストゲージです。兼房の横切りチップで、切削幅3.0mmです。指先の感触で違和感があればもう一削りします。これで均一さのレベルはかなり上がったようで、組子を組んだ時の精度がだいぶ上がってきました。

0.4ミリを削るのに平鉋4回、コロ鉋4回。最後に平鉋で一削りして大体2.9ミリ前後の仕上がりに収まります。大体というのは0.03ミリ前後の幅です。

しかし、汚い手じゃね。老いを感じますね。

去年の11月末ぐらいから初めて12月には概ねこの方法に落ち着きました。

これで曲がりなりにも材料を作る目途は立ちました。次は組子のベースになる3種類の「地組み」についてお知らせします。

 

 

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