去年の2月から5月にかけてカナディアンカヌーを作ったんですが、その後なぜかは解らないんだけれども、家具作りに情熱が湧かなくなっていました。
いや、その前から徐々にそういう感じはあったんですけれども・・・・・。
途切れ途切れだけれども細々と受注はあって、合間に漆工芸や竹工芸を挟みながらも、することが無くなるという事は無かったので、何となく毎日をやり過ごしていました。
でも、以前のように家具を作ってて楽しいとか、まあ、ワクワク感みたいなものを感じなくなってきてたんです。
1年以上そんな状態が続いてきて、自分なりに考えました。
ここ3年ぐらいで一番興奮したっていうか、楽しかったのは
これです。古い箪笥の蘇生。戦後すぐに作られた物らしく、突っ込みどころ満載のタンスでした。職人の手抜きや材料のケチり具合が驚きの連続で、直し方を考えるのがとっても楽しかったです。
次はこれじゃないだろうか。剣先ホゾによる飾り棚。唐木家具の定番みたいになっている剣先ホゾをぴったり収めるための技法と手順を探るのが目的でした。ついでに収まりが悪い場合の修正法も会得しちゃいました。
これもまあ、それなりに。ボロボロのおもちゃ箱の再生。
注文は椅子やキャビネットやテーブルが多いんですが、そういうのは作ってて楽しいと感じなくなってたんです。
自分なりに考えてみると、これは要するに「慣れ」っていうものなんでしょうね。
「ここはどうやって加工するんだろう」とか、「どういう手順でやればうまくいくんだろう」とか、迷ったり考え込んだりして、新しい事を試してみて上手くいった時が楽しいんですよね。
ある程度家具作りに馴れてきて、そういう局面に遭遇することが少なくなってしまったんです。
そうすると、決まりきったルーティーンな作業をこなしてるだけのような、「労働」してるような気分になってしまうんです。お金を稼ぐための仕事・・・・おいらがしたかったのは、こんなんじゃあなくって、趣味としての楽しい家具づくりだったはずなのに・・・・。
カナディアンカヌーを作っているときに薄々気づいてはいたんです。
で、こんな本を買ってしまいました。
2.5ミリの耐水べニヤを銅線で縛り合わせて舷側と船底を作り、その上に同じ2.5ミリのベニヤでデッキを張るっていう簡単・安易な作り方の教本です。ステッチ(銅線で縛って)&グルー(接着剤を使うって意味ね)工法って言うらしいです。
あれこれネット検索しましたが、この方法がシンプルで設計の自由度が高く、OYA-G好みでした。
1/10模型を3艇作ってみました。この本の著者も強く勧めていますし、カナディアンカヌーを作った経験からも必須です。
作艇の基本的なポイントが理解できます。この模型なしでは多分完成艇はできないと言っても過言ではないと思います。
今回の場合は、舷側の直線にカットされた板が船首と船尾側がせり上がるようなカーブになるのか、船底の2枚の板も同様なカーブを描くのかがわかります。このポイントを押さえていないと前に進めません。
上はごく基本的な要件をクリアできなくて失敗。真ん中はそこを押さえて成功。下は船首部の形を教科書には書いていない形にしてみました。
塗装して飾りにしようかと思っていますが、このサイズの模型に対する興味はすでに失っています。
続いて1/3模型を作ります。本番と同じ2.5ミリベニヤを使って、銅線による結束と本番と同じ接着剤やFRP塗料を使った作業の勘所を探ろうと思います。
SEE YOU