竹工芸

ある朝突然

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何だかわからないけれども、それまでどうやっても真っ直ぐ飛ばなかったドライバーショットが、ある朝目覚めたら突然真っ直ぐ飛び出した・・・(らいいのになあ)。とか、

 

どうやっても解決できなかった仕事上のもつれにもつれた案件が嘘のように解決してしまった・・・(らいいのになあ)。とか、

 

小学校以来ず~~~っと低空飛行だった成績が、突然トップクラスに躍り出た・・・(らいいのになあ)。とか、

 

考えたことありますか?

 

ありますよね。

 

でも、そういう事は起きないんですよね。ほぼ絶対に。

 

そういう事が起きないのには、起きない理由があるんですよね。

 

さっき、 「ほぼ絶対に」って言いましたが、ほぼって事は稀にならあるなあっていうことです。

 

7月から8月にかけてほぼ丸々40日間、明けても暮れても竹ひごを引いていたんですが、どうしてもうまくいきませんでした。作るのは幅2.8mm、厚さ0.25mmの紙みたいに薄いひご。「網代編み」っていう編み方に使うひごなんですが、これがどうしても上手くいかなかったんです。

中央に節がある90センチぐらいの「一節もの」っていう長さの竹を使うんですが、直径8センチ周長24センチ程度の標準的な径(8寸って言います)の竹で、理論上は60本強の元になる材料が取れるんですが、その材料を幅、厚みともに徐々に狭く・薄く追い込んでいって目的の寸法に仕上げるんです。

でも、60本の内最後まで残るのは良くて15本前後っていう状態から抜けられませんでした。

問題は節の部分なんです。節の部分は凹凸がある上に、堅く脆いっていう弱点があり、特に厚みを矧いでいくときにこの部分で折れてしまうんです。

8寸ものの竹だと、元の厚みは5~6mm。それを1回目2.5mm、2回目1mmっていう風に矧いでいきますが、ここまでは包丁を使って手作業。そのあと「透き銑」っていう道具を使って0.08~0.1mmづつ、0.9・0.8・0.7・0.6・・・・っていう風に延々と矧いでいきます。

ところが、1工程ごとに折れたり切れたり、大体1割弱ぐらいの犠牲者が出てしまうんです。しかも、工程が進むにつれて犠牲者の割合が増えていくんです。まさに「死屍累々」ってありさまで、頭から煙が出るぐらいの焦燥感と敗北感に苛まれるって塩梅で御座いました。

8月中旬に諦めて「ザ・イス」に取り掛かったので、竹細工は暫くオヤスミ・・・っていうか、さじを投げて本業?の木工に逃避したっていうのが正直なところだったのです。

ご存知のように「ザ・イス」も先日無事完成納品し、しばしの空白期間が生じたので、竹細工もボチボチやってみるかって、ひご作りを始めた次第です。当面の必要本数は400本。ま、1年がかりでやれば何とかなるだろう(かもしれない)ぐらいに気楽に構えて再開です。

写真は上の方がビフォー、真ん中右側の「透き銑」で薄くして下がアフター。今0.7mmになるところですが、ここまでの犠牲者は僅かに4本。夏の時にはこの段階で4割ぐらいは駄目になっていたので、画期的っていうか奇跡的な結果です。103本で初めて99本残ってます。

オーマイガッ!! ビンゴ!! です。

なぜ突然こうなったのか、理由は解りません。

ある朝突然っていうことが起きてしまったようです。

後でゆっくり考えましたが

・一つ一つの工程を、焦らずにゆっくり丁寧に進める

・竹に無理な力を掛けず、そっと優しく扱う

・泣きながら過ごした40日の間に、知らず知らずに小さなコツを会得していた

ことが、しいて理由と言えば理由かなあと感じています。

夏の時は目の前の無理難題に立ち向かおうと、「眦を決して」状態だったように思います。

「何にも教えてくれない師匠」は、これを待っていたんじゃないかしら? だとしたらまんざらダメ師匠ではないんじゃないだろうか。

いえ、ここに後輩がいるとしたらいくつかの気を付けるポイントは指摘できますよ、ワタクシは。でも、肝心なところは「竹に馴れる」っていう事みたいなので、それは言語化したり数値化するのはなかなか難しいようにも思えます。

ほら、刃物の研ぎと同じですよ。

っていうことは、まだまだ入り口が見えてきた段階で、この先こういう事が何度も起きるっていうことなんでしょうね、きっと。

話題代って、USAから取り寄せた「グライダーチェア」の金具が到着しました。椅子本体とオットマンでそれぞれ8個、計16個必要です。

1パック8個入りが4パック。取りあえず2脚分です。これで運賃やら関税やら諸々の経費込みで2.3万円ぐらいですので、1脚に掛かる費用としてはちょっと高いですねえ。

ベアリングとボルトを国内で調達してコストダウンしようかと思いましたが、それは既に先人のTosimさんが試していた様で、結果は「没」だったようです。

これは紫檀の薄板、更に細かくして細棒。これを更に半割して、次に構想しているあるものに使います。

完成まで黙っていようかと思ったのですが、ちょっと行き詰ったので「お知恵拝借」っていきたくて公開します。

永くなった(眠くなった)ので、

つづく。

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