木工制作

うたちゃんの子ども椅子 バージョン1

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さて、「うたちゃんの子ども椅子」なんですが、仮縫い用のダミーが出来ました。

座面と足置きが上下2段階に位置変更可能で、テーブルは着脱式、且つフロントガード(テーブルのところにあるカーブした部材ね)も前後に移動できるようになっています。

テーブルを後ろに回すこともできます。

実はこの椅子、1度は断り掛けたのです。最初の受注後暫く考えていたんですが、どうにも構想がまとまらず困り果てて

「え~とですねえ、あの子ども椅子なんですけどもう、何ていうかその~、見せてくれた市販品をお買いになった方が良いと思うんですけど~。」

「え、どういう事でございましょう。」

「いやその~、市販品のはベビー期から中学校低学年にかけて10年以上使えるように5段階で座面や足置きが変更できるようになってますよね。構造的には左右の脚部を桟やら座面のネジ穴にジョイントボルトっていうネジで引き付けて固定するようになってるんです。どう考えてもそれ以外の方法が見つからないんで、要するに安物の木で作ってあるものを無垢の木に置き換えただけになってしまうんです。それだったら市販品の方が安いし、速いと思って・・・。」

「いや、もう作ってあげるって言ってあるし、パパもママも喜んでるのにそんな事できません。」

「でも~、いずれバラバラに分解されてゴミになるようなものを作ってあげても・・・。」

「ごちゃごちゃウジウジ言ってないで、何とか解決策を見つけるのが仕事でしょうが。絶対に受注拒否は認められませんからね。」

「はあ・・・・ハア~~~。」

てなことから数日後。

「えっとですねえ、一つじゃなくて2つ作りましょう。テーブルやガードの付いたベビー期用のものと、そういう物の付いてない、足置きだけを付けた幼児期から少女期(うたちゃんは女性です)用のものにしましょう。2つ作ればあんなノックダウンのみっともない物にしないで済みます。それだと何とかなりそうなんですが如何でしょう?」

「結構でございます。早めに掛かってください。ベビー期が過ぎてから納品なんて言うことにならない様にお願いしますよ。」

ということで最初の写真までたどり着いたんです。

無事仮縫いを済ませた痕跡です。やはり仮縫いは必須だったようです。

変更点はダミーに直接書き込んでおきます。

ダミーを見ながら現物大の図面を描きます。丸1日かけて各部の寸法や仕口を慎重に決めておきます。ここで計測ミスや勘違いがあると完成間際になって不具合が見つかったりして、回復不能のダメージを喰らう事があるので気が済むまで時間を掛けます。

え?それなら大丈夫だろうって?世の中そんなに甘くないです。途中で考え込んだり、一部の部材を取り直したりは普通にあります。ただ、致命傷にならないだけです。

ちょっとだけ途中工程をご覧いただきましょう。テーブル面の整形です。

手前のカーブですが、墨付けのあとバンドソーでカットした状態です。普通は型板を作っておいて、ルーターで倣い加工して仕上げの鉋掛けって手順ですが、型板を作ったりルーター加工の手間が馬鹿馬鹿しいので今回は省略。

いきなり鉋で整形します。ここから10分ほどで完了しますから型板なんて作ってられません。

大枠こんな感じになります。

ほぼ全体像が出来ました。サイド側は組み立て済みですが、左右は仮組みです。この段階でもう一度うたちゃんに登場願って最終確認します。

はあ~~~~~~長かったなあ。

 

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