小箪笥でUPし忘れてました。
この部分の失敗を誤魔化す技ですが、
こういう物を作ってあげました。紫檀の薄板をメイプルで囲ったミニチュアテーブルです。
左側後方部分に余分に削ってしまった溝を友木で埋めた跡があります。左右逆になったのはこの部分を奥側に配置する必要があったからなんです。
ミニチュアテーブルは最初から構想にあったことにしてしまいます。
本題です。
前回予告した「海賊の宝箱」蘇生プロジェクトを始めます。古色蒼然っていうより「きちゃない」箱っていうのが全体の印象です。
今考えている全体の方向は
・全体に貼ってあるショボい金具は全て取り外して錆を落とし、黒染め(黒い錆を付けるってことです)にします。黒漆を塗る方法も考えています。
・表側は朱合漆の溜塗り仕上げ。
こういう仕上がりです。
・内側は一度塗装を剥がした後、拭き漆仕上げとします。
書くだけなら簡単ですが、作業は難航することが容易に想像できます。苦労と忍耐が要求されるシビアな作業になる事でしょう。今からワクワクします。
全体を観察すると、どうも金具を打った後から柿渋を塗って仕上げてあるようです。金具は全体に酷く錆びていますが、錆が比較的少ない部分は黒くなっています。鉄と柿渋のタンニンが反応したと思われます。
ためしに角の扇形の金具を外してみました。裏側は柿渋が届かないので赤錆になっています。表は黒錆の上に赤錆がある状態です。柿渋で出来る黒錆は薄く、均一じゃあないので、こういう状態になったものと思われます。右上にサンドペーパーで擦った跡がありますが、表面がデコボコなのでサンペによる錆び落としは無理です。
ワイアーブラシで浮いた錆びをざっと落とした後、市販の錆び落とし剤を使おうと思いますが、錆び落とし剤は多分黒錆には効かないのでどうするか迷っています。
思ったとおりでした。金具の下は比較的色の薄い木だったようです。金具を止めてあった釘も鉄なので、腐食して木地を痛めています。この部分は全て木釘を打ち込んで補修します。難儀なこっちゃなあ・・・・。
金具を外したあとを鉋で削ってみました。材種不明ですが、かなり白っぽい広葉樹の様です。木肌は安っぽいです。
サイド側。下に車輪モドキが付いてます。廻し挽き鋸で適当に切り出したと思しきウルトラアバウトな車輪です。この部分をどうするかも考えなければなりません。
一番上になる帯金具だけは真鍮のワッシャーを噛ませていますが、金鋏で適当な多角形に切ってあります。釘はもちろん鉄釘。あり合わせ感満載です。
あれこれ見ていくと、どうもこれは子供のおもちゃ箱だったんじゃあないだろうか。作られたのは戦後まもなくの物資の乏しい時代?
素人の日曜大工みたいな物じゃあなくて、職人が安価に売るために材料費と手間を極限まで切り詰めた量産品じゃあないだろうか。
本体の木はどうもラワン材のようだし、まともに鉋掛けした様にも見えません。節のひび割れ部分もそのままにしてあります。
これは予想以上の難工事になりそうです。2か月以上、たっぷり楽しませてくれそうです。
その2につづく。