前回の続きなんですが、機械加工の時にこういうザックリと深い逆目掘れが起きる事があります。
材の表面にアバタのような模様が見えていますが、チェリーに多い放射状組織が形成する杢で、主として柾目面に現れるんですが、これが難物なんです。しばしば全体の順目とは逆方向に部分的な逆目が混在していて、しかもサクいのでこういう風に深く掘れてしまいます。
こういう深い傷は瞬間接着剤だけでは補修できないので、裏技2を使います。
同じ材の鋸屑を補填してから瞬間接着剤で固め、
更に瞬間接着剤を重ねてサンディングします。
多少の違和感は残りますが、こういう欠点も多発するので致し方のない処です。
脚部の加工が終わったので仮組みしてみました。この状態で長手方向はビクともしません。妻手方向は若干の動きがみられますが接着剤を入れて本組みすれば動きは止まると思います。
この土台がしっかり組みあがり、その上に甲板が乗っているというのがこの手のテーブルの常識的な要件だと思います。
工程の都合上甲板部分だけは塗装に入ります。
写真は「木固めエース」2回塗りが終わったところです。この状態では塗料の吸い込みムラが目立ち、光沢が無いので見栄えが悪く、手触りも今一歩です。
最終仕上げに蜜蝋と米糠油を混ぜた仕上げ用の蜜蝋オイルを塗ります。
固形の蜜蝋オイルをヘラで潰し
手で全体になじむように塗っていきます。きちゃない手でごめんあそばせ~~~。
余分な蜜蝋オイルをヘラで搔き取ってから、ウエスで拭きあげて終了です。
オイルをビンから掻きだす細い棒から手前がアフター、向こう側がビフォ-です。蛍光灯の反射具合でご判断くださいませ。
木固めエースには専用の仕上げ塗料もあるんですが、ウレタン特有の、品の無いテカテカピカピカになるので弊工房では使いません。少し抑え気味の光沢と、しっとりした手触りになる、この方法以外の仕上げは採用していません。キッパリ!!
裏の塗装が終わったので、ひっくり返して表側の塗装に入ります。
出来上がりました。
エッジ部分はお子さん対応で小丸にしました。表から裏にかけて微妙に絞ったカーブになっています。
甲板はこれで完成なので、この後吸い付き桟をセットし、日焼けが進まない様に布を掛けて5月後半の納品まで空きスペースに立てかけておきます。