竹工芸

大人買い

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来年用の竹材を注文しました。(2022年用って事です)

注文したのは一節で2尺八寸を4束(20本ぐらい)と、3尺乃至それ以上のもの4束で、2尺8寸はそのままの長さで(節が付いたまま)花籠などに使います。4束で取れるヒゴは1000本内外です。3尺以上の物は節無しで44~49センチぐらいの短いヒゴにし、文庫や硯箱・小物入れなどにします。4束で取れるのは2700~2800本ぐらいです。

今回届いたのは2尺8寸が2束、3尺超が3束の計5束です。残りは後日っていう連絡が入ってきました。

竹細工については、来年はとにかく数を作ることを目指します。一通りのやり方は解ったんですが、手仕事としての練度は小学生レベルなので、数をこなしてせめて高校生レベルぐらいにはしておきたいんです。

これが竹材2本分の粗取りが終わったものです。ここまでは全て包丁と手だけで進めます。

一番上がヒゴになる材料で、270~280本あります。幅3.5mm・厚0.6内外・長さ49センチです。厚さは0.6目標で0.5~0.7に収まっています。ここまでの工程で重要なのは目標の厚さを0.5にするか0.7や0.8にするかっていう事です。練度が低ければ目標値は厚くなり、練度が上がるにつれて薄くできます。ばらつきの幅も練度が上がれば徐々に小さくなってきます。

厚みのばらつきは、この後「銑」っていう道具で厚みを徐々に薄くする工程で、材料に掛かるストレスの度合いを大きく左右するので、なるべくばらつきの無い厚みにしておくことが求められます。

下側の4つの束は捨てられる運命です。この段階で容積比で90%程を捨てる事になります。

今回とんでもない事に気付きました。包丁は柄との繋ぎ目の口金がこういう形になっています。当然意味があってこうなってるんでしょうが、例の師匠はこの部分を使う事は教えてくれませんでした。というか、ご本人自身この部分を使う事は無かったんだと思います。

適当な幅(私の場合は7.5mm)に割った竹を、2.5:3.5、1.2:1.3、0.6:0.6って言う風に剥いでいくんですが、教わったやり方は切り込みを入れた端を右足の親指と人差し指で挟んでおいて、左手の人差し指の腹で皮(残す方です)側に添え、親指の腹で身(捨てる方です)側に添えて、滑らせながら剥いでいくんです。右手は包丁を持って剥いだ方向に追随していきますが、包丁の刃先で切っていくわけではなく、包丁はあくまで2枚の皮と身を離すために使うんです。

ところが私の場合、足首や股関節が硬いので長時間胡坐をかいて座る事が出来ないんです。自慢じゃないですが、正座は全くできません。お寺に生まれなくて良かったと心底思います。

クドクド書いてもなんのこっちゃら解らんでしょうから、簡潔に言います。

この口金の部分を使って矧いで行けば、足なんか使わずに両手だけで均一に剥げるって事が解ったんです。若干の工夫は要りますが、格段に均一性が上がります。

 

6mm程の厚みの竹材を3.5:2.5ぐらいの比率で1回目の剥ぎ。本当は革手をしてますが、カメラの扱いが出来ないので今回だけ素手です。

このあと幅方向を半分に割ってから

2回目は1.25:1.25に矧ぎます。

3回目は0.6:0.65に剥いで手作業は終了。

左の長い方2束で竹材8本分、450本程度あります。 真ん中の緑の結束テープのは1本分60本ほどですが、節が高すぎるので多分この状態では仕上げる事が出来ないと思えるものです。 更に加工を進めて行って、ある程度の節の高さがあるものは一節物のヒゴには向かないっていう確証を得たいと思います。

材料1本をここまで処理するのに掛かる時間は大体2時間半ぐらいです。

カヌーを作っていると、接着剤が固まるまでに待機時間があるので、その間に竹剥ぎをし、1日1本ぐらいのペースで進めて行きます。概ね1か月で今回送られてきた竹材5束分の処理が終わる計算です。

そのあとは作るものによって必要本数を順次仕上げて行くつもりです。工程は「剥ぎ」が4行程、幅引きが3行程、面取りが1工程、計8工程になります。

考えたら気の長い話ではあります。          合掌。

 

 

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