MDD(元奴隷兼弟子のK君ですよ。覚えておいてね)が、大阪の革職人が使う作業台を受注してきました。
自分でも手伝いながら作業を覚えたいって言うので、そのように計らってやります。
グライダーチェアの方も佳境に迫っているんですが、同時進行で行きます。
先ずは粗木取り。必要寸法の材を切り出します。使用する材はチェリー。
「切り落とした材が右側に落ちるような位置に置かないと、キックバックをくらうから要注意!」なんて言いながら作業開始。
あらかじめ粗木取りしておいた、天板の周囲を囲む框部分の加工に掛かります。 ホゾ穴の墨付けです。
「穴の墨付けは1か所で良いって言う人もいるけど、全て墨を打った方が良い。間違いや機械のセットが動いたりしたときに気が付きやすいように。」
「墨は穴ぴったりに引くんじゃない。角鑿機の何時設定の時、ちょっとずれた位置でセット位置を決めないと、微調整したい時にドリルの先端が流れて微調整できなくなる。」なんて小技を教えながらなんで時間が掛かります。
そもそも手押しのところで、手の位置やら押し棒の使い方を教えた上に、「ほら、手の位置に注意!!そんな持ち方じゃあ自分の手も一緒に削れるぞ。」
「手!!手の位置!!。」
なんてやってるものですからMDDも体の動きがぎこちなくって、時間が掛かって仕方ありません。
「ホゾは最初に胴付を切る。位置決めのストッパーの固定をキッチリやらないと、途中で動いて胴付の位置がずれるぞ。1回決めたら、あとはスイスイカットするだけ。カットラインがずれたら、そこまでの加工がうまくいってない証拠。」
「ホゾは幅から決める。幅方向は手で押し込んでギリギリ入る程度に切る。幅方向がきつすぎると、ホゾ穴が割れる可能性があるからね。次の長さ方向はちょっときつめ。手では入らない程度。こっちで効かせるんだからね。柔らかい木だと1mm位長く切っておいて木殺しして入れるのが定法だけど、チェリーやメイプルは木殺しが効かないんで、ほんのちょっとだけよ。」
甲板の框部分が仮組み出来ました。この中に20mm厚の天板を設置します。
框組中央に桟を配置して、左右2枚の天板の組み込みます。1枚目の天板の板矧ぎ。
「必ず天地同数のクランプを掛ける。直定規で水平を確認しながら、目視上どちらかに反っていない状態になるまでクランプを締めたり緩めたりして組み上げる。ここで妥協すると後の作業に手間取るから徹底的にやる。但し20分ぐらいで硬化が始まるから手早く!」
後は脚部の部材の粗木取りをして、今日の作業はおしまい。
しかしまあ、教えるって難しいですね。教えながら作業させると時間が掛かってイライラするので、「自分でやった方が早いがなあ。」って思いながら、そこはグッと我慢。ぎこちない動きも見て見ぬふりをしながらやり過ごします。4時過ぎまで作業しましたが、いつになく疲れてしまいました。
来週は後半部分を完成して脚部の加工に掛かる予定です。