木工制作

古箪笥再生プロジェクト その5

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座椅子を済ませたので、古箪笥の作業に戻ります。

不要になった引き出しの表板をカットして、塗装のテストをしました。粗い導管に下塗りの着色剤が入り込んでいて、木目が必要以上に派手に見えてしまいます。

HCで使えそうな水性ステインを買ってきました。どちらもピンときません。

ふと思いついて柿渋を塗ってみました。ほんのりと赤みががって、チェリーで作る予定の外枠とのマッチングは良さそうです。

これは何でしょう? 3枚の引き出しを入れる枠の仕切り板の奥側端の部分なんですが、変に欠けた部分があります。

これはあれですね、ほら、桐箪笥なんかで1枚の引き出しを押し込むと、閉まっていた他の引き出しが飛び出して来るって奴です。いかにも緻密な職人仕事みたいな紹介のされ方をしていますが、あんなのは職人の腕とかいうレベルの物じゃありません。普通に作れば当然そうなるってレベルです、いえ、私が言ってるんじゃなく、嫁入りダンスを作っていた家具屋の親爺が言うんですから間違いありません。

「テレビなんかであれを言われるたびにケツの穴がむずがゆくなる。」って言ってましたが、蟯虫検査して貰ったらって返しておきました。

あ、これはですねえ、引き出しを押し込む時に空気の逃げ道を作って、空気抵抗によって引き出しが入りにくくなるのを防ぐためなんですね。

でも、この切り欠きはどうやってこんなひどい切り欠き方になったんじゃろう?どういう道具とどういう腕ならこんなことになるのか教えて欲しいものでアリマス。

お料理じゃありませんよ。引手などの金物類を煮沸しています。こびりついた汚れが頑固なので、煮沸して汚れを浮かせておいて、スチールウールでシャシャっと擦ればきれいになります。薬品の類はあれこれ試してみましたが、ダメでした。新品同様とはいきませんが、落ち着いた清潔さって言える程度には回復しました。

2枚の引き戸は塗装(柿渋+ビーワックス)と金具の装着を済ませてスタンバイしてます。

裏から見るとこうなってます。錆びた釘に代わってステンのミニビスを起用しました。

これは引き出しの下端部分。底板を止めてあった木釘を取っておいて、穴埋めに使います。穴が開いたままだと底板をビス止めする時、ビスがこの穴に当たると効かないからです。分解した時折れたりして全ての穴埋めには足りませんので、足りない分は竹串で代用しました。ほら、安手の焼き鳥を刺してある2.5mmの奴ですよ。

引き出し前板中央に取り付けてあった鍵の金具を外した後ですが、捨てずに残してあった友板で穴埋めします。

右上部のビス跡の右に微かな違和感を感じました。

金具を外した時に折れ残った釘の様です。

よく注意しないと、新品の馬鹿高いスパイラルBITを傷つけるところでした。

賢明な読者の皆様はお気づきかと思いますが、さっきのは右側、これは左側です。右のは微かに見えていましたが、これは穴に埋まり込んで外からは見えていませんでした。メウチで釘穴を探って見つけたものです。

穴の部分をトリマーで整形して埋め木。接着剤が乾いたら鉋で均して完了です。

引き出しの内側はどうしても綺麗にならないので、和紙張りにすることにしました。これは下張りが終わった処。この後上張りの和紙を張ります。金具は和紙を張る前に装着しておきます。

建具屋の修行はしてませんので、随分手間取りました。

その6に続く。

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